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伊勢志摩の観光を支え創り出す!伊勢志摩観光コンベンション機構

伊勢志摩の観光を支え創り出す!伊勢志摩観光コンベンション機構

今回お話を伺ったのは… 専務理事・須﨑充博さん、統括チーフ・岩嶋恭平さん

伊勢志摩観光コンベンション機構は、伊勢志摩地域(伊勢市・鳥羽市・志摩市・玉城町・度会町・南伊勢町)の観光誘客プロモーション事業の推進母体。地域連携DMOとして地域の観光業に携わる関係機関と協力し、伊勢志摩の観光情報発信や、フィルムコミッション、MICE、教育旅行誘致などに取り組んでいます。(2025年2月掲載)

専務理事 須﨑充博さん

30年以上にわたり伊勢志摩の観光業を支える

1980年に二見町役場に入職。市町村合併を経て、2005年から伊勢市役所職員として勤務し、2022年に伊勢志摩観光コンベンション機構に着任後、2024年7月に専務理事に就任しました。30年以上にわたり、伊勢志摩の観光業を支えてきました。

Q 伊勢志摩の観光の移り変わりを見てどう感じていますか?

「目的をもった観光」への変化に対応

長年、伊勢志摩の観光に携わってきた中で変化を感じる部分は多いですね。

たとえば、昔は旅行会社のツアーに申し込んで旅行する方がほとんどでした。しかし現在は、スマホひとつあればさまざまな情報を入手でき、自分で宿泊先や交通手段をコーディネートして好きな場所へ行ける。そのためか、近年は「目的をもった観光」をする方が増えているように感じます。

そのため、伊勢志摩の様々な魅力をしっかりと情報発信することで、多くの方が伊勢志摩に興味をもち、この地へ足を運んでくれる方々がさらに増えればと考えています。

Q 現在、どのような事業に注力されているのでしょうか?

伊勢志摩の観光資源を最大限に活用

伊勢志摩は、伊勢神宮や伊勢志摩国立公園など、日本の文化や美しい自然を感じられる観光資源が豊富な地域です。これらを生かしたインバウンド誘致と、数年後に控えた神宮式年遷宮を契機とした観光プロモーションに力を入れています。

伊勢志摩観光コンベンション機構がインバウンド誘致に力を入れ始めたのは2019年からです。現在では観光客の2~3%がインバウンドになりましたが、まだまだ少ない。インバウンド誘致に力を入れることはもちろん、富裕層をさらに取り込んでいきたいですね。

そのために、モニターツアーの実施や地域の価値の再確認などを行い、高付加価値インバウンドのモデル観光地としてDMC(Destination Management Company:地域サービスを提供する企業)の設立を目指しています。 同時に、20年に一度の式年遷宮が数年後に控えていることから、国内観光客に向けて地域の周遊と消費拡大につながるような遷宮を契機にした観光プロモーションに取り組んでいます。

Q 伊勢志摩の観光業における課題はありますか?

観光業における新しい働き方の拡大

観光業には「給与が低い」「勤務時間が不規則」といったイメージがあり、人材確保が難しいのが現状です。そのため、観光業に携わる企業へ複業の解禁が望ましいのではないかと考えています。

例えば、
• 農業や水産業との連携(自ら育てた食材をホテル・旅館で提供)
• 語学力を活かしたツアーガイド

など、観光業との親和性を活かした複業が収入安定につながると考えています。

また伊勢志摩では、労働環境の改善に取り組む旅館やホテルも増えています。
従業員全員がすべての業務をこなせるよう育成することで、残業や宿直などを減らしていく。
そういった先駆的な施設の取り組みを広げていく必要があると考えています。

統括チーフ 岩嶋恭平さん

発展途上のインバウンド誘致に携わるためIターン

埼玉県出身、ワーキングホリデーや添乗員を経験し観光業へ。英語力をはじめこれまでの経験をフル活用して伊勢志摩観光コンベンション機構でインバウンド事業を担当しています。

Q どのような業務を担当していますか?

英語力を生かしてインバウンド業務を担う

伊勢志摩観光コンベンション機構で推進しているインバウンド事業を担当しています。

現在15名の事務局員がいるのですが、ほとんどは県・市町や旅行会社、交通会社からの出向者で、専務理事の他、プロパー社員は3名のみであり、インバウンド専門職員として採用されたのが私です。英語を話せる職員がほかにいないこともあり、海外からの問い合わせ対応や海外商談会・旅行博出展、旅行会社の視察・メディアの取材対応など、主に英語でコミュニケーションが必要な業務をはじめ、インバウンドにかかわる幅広い仕事を担当しています。

“事務局”というとデスクワークをイメージする方も多いですが、出張や視察・取材対応のため1年の1/3~半分は事務所にいないかもしれません。体力勝負のところも多いですね。

しかし、ワーキングホリデーや添乗員を経験する中で、英語力を活かして観光業に携わりたいとの思いを強くして選んだ仕事ですし、やりがいが大きく充実しています。

Q 伊勢志摩への移住とIターンを決断した理由を教えてください。

“発展途上”のインバウンド誘客に携わるために飛び込む

インバウンド誘客に力を入れている地域や自治体は多くありました。しかし、大阪や東京のようにすでにインバウンドが整備されているところではなく、これから発展させようという地域でインバウンドに携わりたかった。

そこで、都内の移住相談窓口へ行き、家賃補助や空き家バンクなどさまざまな移住支援制度があることを知りました。観光業が盛んな地域を移住先の候補地として選定していたときに興味を持ったのが伊勢志摩でした。

最初は、仕事を決めてから移住と考えておりましたが、思い切って、移住ありきで家を決めました。それから仕事を探そうと飛び込んだんです。

「まずは仕事を決めてから」と考える方のほうが多いかもしれませんが、動いてみたことで移住が叶い、伊勢志摩観光コンベンション機構で働くこともできています。

出勤時間や退勤後の帰路の満員電車や渋滞もなく、都会で日常的に感じるストレスからも解放され、自然豊かな環境の中、自分のペースで生活ができています。

Q 伊勢志摩へのUターン・Iターンを考えている方へメッセージをお願いします。

まずは動いてみる!何が役立つかわかりません

いろいろ心配なこともあるかもしれませんが、まずは、興味のあることにチャレンジしてみることが大切です。

私自身、最終的に伊勢志摩のインバウンドに興味をもって移住を決めました。整備士やワーキングホリデー、添乗員などこれまでの経験を活かしてやりがいのある仕事に就き、快適な環境に満足しています。

何がどう役立つかはチャレンジしてみなければわかりませんよ!

伊勢志摩観光コンベンション機構はじめ、観光に携わる人材を募集している施設・企業がたくさんあります。
• 「伊勢志摩が好き」
• 「観光や旅行が好き」
• 「英語力を生かしてインバウンドに携わりたい」

など、興味のある方はぜひ、飛び込んでみてください!

統括チーフ 岩嶋恭平さんの一日(月初)

8:30出社
メールチェックやその日のタスク整理、電話対応など
9:00外国人宿泊者数の集計・共有、前月の集計データの提供依頼
10:00視察・取材立寄り施設へ受入依頼
自社企画商談会やトップセールスなどの各種マニュアル作成 等々
12:00お昼休憩
13:00各種打合せや商談会用資料のアップデート、海外出張準備 等々
終日視察・取材アテンド業務や海外・国内出張などがあります。
17:15〜19:30退社

伊勢志摩観光コンベンション機構の詳細はこちら(https://www.iseshima-kanko.jp/

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